私が参加させていただいたのは、天津市のアパレル日中合弁企業でした。
仕事内容は、日本から送られてきた製品の仕様書や検査報告書の中国語への翻訳、日本のお客様に対しての工場案内、慣れてきた半年め頃からは、事務所や工場で行われた会議の議事録を作成し、日本側に報告することなどをさせていただきました。最初の頃は、周囲の言葉が聞き取れず、会社に行っても仕事にならないので、暇さえあればひたすら勉強ばかりしていました。 しかし思うようには上達せず、そんな自分に苛立ちや悔しさを感じたりすることもありました。できるだけ人に頼らず手続きをしたり、外に出て動き、わかる範囲で色々な方と雑談をしたりする内に、いつの間にか自然に耳や口が馴染んできているのを感じる瞬間がありました。 来たばかりで常に一人で行動するのは心細いこともありましたが、すぐに人に頼ってしまう私の性格からすればそれが逆に良かったのかも知れません。 ある程度会話ができるようになると、次に私が考えるようになったことは、仕事は言葉だけじゃないな、ということでした。もちろん、業種にもよりますし上手であれば一番良いのですが、やはり一手段でしかない。海外で本格的に仕事をしたいとなると、経験や知識などもう一つ武器になるものが必要だなと感じることが多くなってきました。 |