社会人を経てインターンシップに参加されたきっかけは?
大阪でOLをしていた頃、仕事の帰りに趣味の延長で始めた”お稽古”、それが中国語との本格的な出会いでした。週に一度教室に通うことかれこれ3年近く、勉強するのは好きだけど、教室以外ではなかなか思うように話せない。ちょうど、会社での事務の仕事内容にも壁が見え始めていた頃でした。中国に行ってもっと仕事の幅を広げたい、自分の可能性を試してみたい、でも言葉にやはりまだ自信がない、迷っていた頃にこのインターンシッププログラムに出会い、CIPさんとの面談の上、参加することを決めました。
天津でのインターンシップ
私が参加させていただいたのは、天津市のアパレル日中合弁企業でした。仕事内容は、日本から送られてきた製品の仕様書や検査報告書の中国語への翻訳、日本のお客様に対しての工場案内、慣れてきた半年め頃からは、事務所や工場で行われた会議の議事録を作成し、日本側に報告することなどをさせていただきました。
最初の頃は、周囲の言葉が聞き取れず、会社に行っても仕事にならないので、暇さえあればひたすら勉強ばかりしていました。しかし思うようには上達せず、そんな自分に苛立ちや悔しさを感じたりすることもありました。できるだけ人に頼らず手続きをしたり、外に出て動き、わかる範囲で色々な方と雑談をしたりする内に、いつの間にか自然に耳や口が馴染んできているのを感じる瞬間がありました。来たばかりで常に一人で行動するのは心細いこともありましたが、すぐに人に頼ってしまう私の性格からすればそれが逆に良かったのかも知れません。
ある程度会話ができるようになると、次に私が考えるようになったことは、仕事は言葉だけじゃないな、ということでした。もちろん、業種にもよりますし上手であれば一番良いのですが、やはり一手段でしかない。海外で本格的に仕事をしたいとなると、経験や知識などもう一つ武器になるものが必要だなと感じることが多くなってきました。
インターンシップを終えて、今後の夢は?
現在はインターンシップを終え、天津での経験と日本にいたときの経験を活かしてシンセン市のある物流会社に就職することができました。
外国で外国語を使って働くことは、2年前の日本にいて毎日平凡な会社勤めをしていた私にとって、憧れはあるが全く別世界でのこと、自分には遠い世界の話だ、といった軽い諦めのような感覚がありました。しかし、今回こちらに来てわかったのは、思っていたほど大それたことではなかった、ということ。
子供の頃に、自分の20歳になった姿を想像し、さぞかししっかりした大人なんだろうと思っていたけど、実際自分が20歳になってみたら案外普通、思っていたよりありのままに生きている、といった感覚に似ているかもしれません。一歩踏み出す前に、自分には無理だと諦めてかかっている昔の私のような人はたくさんいるんじゃないかと思うんです。そんな方には是非このインターンシップという制度を利用して、まず経験してみてほしいです。
もちろんそれなりに、辛いこと、悔しいこと、ホームシックなどもありましたが、目的を持って取り組めば、社会経験があるからこそ出てくる意地みたいなものとか、視野や観点の広がりなど、今後の人生にプラスになる要素が沢山得られるのではないかと思います。少なくとも私にとってこの経験は、仕事どころか友達や趣味、考え方諸々、自分自身の幅を大きく広げるきっかけにになりましたし、参加したことは間違いなかったと確信しています。