インターンシップ中国で「社会」を知る
大学4年次に約半年間、北京のIT関係の会社でインターンシップをする機会に恵まれました。中国語のレベルが十分でなかった私は、会社からほど近い大学留学生寮に住み、他国からの留学生と共に午前中は授業に出席し、午後は会社でのインターンという生活を送っていました。
主な仕事の内容は、社員への日本語教育や簡単な翻訳作業などで、日本語の授業は、ほとんど私が自由に作ることが出来る分、工夫や準備が必要な仕事でした。また、会議を見たり、直接社員の方に話を聞いたりすることで、会社というものの構造や雰囲気、そして、その中での一人一人の役割など、今まで漠然としか描けなかったイメージを、具体的に掴むことが出来ました。
インターンシップで自分を見つめなおす
このようにして、半年間の中国生活を通して私が得たものはたくさんありますが、その中でも最大のものは、やはり「自分の価値観を正面から見直す機会」だったと思います。
中国へ飛び立った当時の私が思い描いていた将来の自分は、外国語を使いこなして国際的な場で働く姿でした。しかし、実際のその理想に近い形で生活をしてみて、私は次のような問いにぶつかりました。自分が本当に望む仕事・働き方とは何か。自分が大切にしたいものとは何なのか。
学んだことを日本の子どもたちに伝えたい
帰国してからも悩み続け、そして出てきた答えは「日本で教師になること」でした。幸運にも、今年度の教員採用試験に合格し、来年からは正式に中学の英語教員になります。中国に行っておいて英語の教員になるというのは、一見結びつかないように思われるかもしれません。
しかし、英語以外の言語を学び、それを使って生活や仕事をすることで「外国語を学ぶ意味」をよりはっきり実感できたことや、日本とは違う価値観の世界に身を置いて多くの人と交流したこと、そして広い視野で自分を客観的に見つめ直せたことは、これから教員として生徒と接していく上で、大いに生かされると思います。自分自身の経験をもって語られる言葉は、説得力をもって子供たちに響いていくと信じて、これからの教員としての人生に熱を注いでいきたいです。